純愛2

ただ

そこに居るだけ

ただ

近くに居るだけ

ただ

それだけで

心安らぐ彼の存在


二人にしかわからない愛の形




金木犀の香る秋
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試験週間でクラブ活動はお休み

テニス部で地区のトップ3に入る凛が

唯一、ゆっくり出来るとき


『凛、マサ君と一緒に帰れば?』

『方向真反対』

『じゃあさ、途中まで一緒に帰れば?』

『…』

『はい決定(笑)(笑)(笑)』


凛と彼が少しでも二人で過ごせるように

キョウちゃんはあの手この手を考える


キーンコーンカーンコーン…

『今日のHRを終わります』

『さようならー』


帰り支度をし視線を彼の方にやると

彼は凛にこう伝えた


教室から一緒に出ることはしない
後からゆっくりおいで…待ってるから


アイコンタクトと一瞬の彼の仕草


二人のいつもの会話だった



『凛❗️何やってるの?マサ君行っちゃったよ』

『うん』

『一緒に帰るんじゃなかったの?』

『帰るよ』

『は~?ワケわから~ん』

『皆が帰って人が少なくなったら行くよ』

『何処へ?』

『マサの所。待ってるって言ってたから』

『凛、そんなこといつ話したの?』

『今』

『今ーーー?????…あ、そっか(笑)』
『じゃ、角曲がった所の信号で待ってるね』

笑いながらキョウちゃんは教室から出ていった。




誰も居なくなった教室から出て

彼の待つ裏門へ向かうとき

金木犀の香りが凛を優しく包み込んだ…







つづく…